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2023.06.11 担当者:藤原

土地を貸す場合は契約形態にご注意ください。

先日土地を貸したいとのご相談を頂きました。

「土地を貸してしまうと二度と戻ってこない」という話を聞かれたことがある方もいると思います。

土地を貸出す用途に合わせて適切な契約形態で契約をせず安易に契約をしてしまうと、本当に土地が戻ってこない事にもなりえますので、ご注意ください。

土地の契約には、大きく分けて3パターンがありますが、今回は一番注意が必要な「普通借地契約で土地を貸してしまう」場合について、簡単に説明をさせて頂きます。

 

普通借地契約とは、

建物所有を目的とした借地契約となり契約期間が最低30年で、契約満了時には契約の更新が可能な契約になります。また、30年より短い期間で契約をしても契約期間は30年となります。次に、貸主から契約を解除したくても正当な事由がないと契約解除ができず、契約が更新される続ける契約となります。

 

 従って、貸主が借主に契約の解除を申し入れた場合に、借主が問題なく受け入れてくれた場合は特に問題ありませんが、契約の解除を拒まれた場合は、上記の正当な理由が無いと貸主から契約解除ができません。この、正当な事由がないと契約を解除できないことが一番の問題となりますが、借地借家法による正当な事由とは、下記の通りとなっております。

 

(借地契約の更新拒絶の要件)第六条 前条の異議は、借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む。以下この条において同じ。)が土地の使用を必要とする事情のほか、借地に関する従前の経過及び土地の利用状況並びに借地権設定者が土地の明渡しの条件として又は土地の明渡しと引換えに借地権者に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、述べることができない。

 

分かりにくい文面になっておりますが、簡単に説明しますと、貸主に土地を使う特別な理由と、立退料や建物の買取の様な金銭的な補填がないと正当な事由として認められません。

 

土地を使う特別な理由とは、

貸主自身や子供の家を実際に建てる場合(予定では不可)や公共事業等で土地が収容される等で、裁判所に認められなければ正当な事由にはなりません。また、貸主の自宅を建てる場合でも、借主の事由の方が強い場合は、認められない事もあります。

 

 従って、普通借地契約で土地を貸してしまうと、時間もお金もかかってしまう、やっかいな契約となり、これが「土地を貸してしまうと戻ってこない」と言われる所以となります。

余程の信頼関係がある借主や、最悪戻ってこなくても良い土地であれば、普通借地契約でも問題ないと思いますが、少しでも不安があるようでしたら他の契約形態をお勧めします。

 

次回は、土地が取られない貸し方である「建物の所有を目的にしない土地の賃貸借」についてをご紹介します。※取られないためにはちょっとした注意も必要です。

 

今回は、普通借地契約での注意・問題点をご紹介させて頂きました。

「土地を貸したい」とお考えの方は、是非一度当社にご相談ください。

 

この記事を書いた人      藤 原      【宅地建物取引士・賃貸不動産経営管理士】